SI社畜、転職の心得

SI業界の中年末端下請けSEである僕が、実際に転職活動をして感じた点を、僭越ながらこれから転職活動に臨む方へのアドバイスとして記しておきたいと思います。
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SI社畜、転職の巻 - 惰ログ新館(仮)


ハイスペックな人材ではなく、市場でひと山いくらで売られている人間だからこそ、身近な存在として参考にしていただけるのではないかと思います。
就職活動に向かう新卒の方にも通じる部分があると思いますので、参考になれば幸いです。

以下、箇条書きにて

・甘えは捨てる。
愛嬌としてわざと弱みを見せる事は戦術としてアリの場合もありますが、相手が自分の良さを理解しようと努力してくれると思うのは甘えです。
特に最終局面でこれでイケると思った段階で甘えがでて、逆転サヨナラホームランを喫する場合がある(体験談)ので注意してください。


・相手が欲しがるであろう自分を売り込む。
大概の人は傑出したアピールポイントを持ち合わせていません。
その中から職務経歴書とにらめっこしつつ、無理矢理にでも自分なりのウリを捻り出すことになったりします。
ただ、それをそのまま押し売りしたのでは到底相手に魅力的な人材と思ってもらえません。
相手が欲しがるものを提供することこそが大事です。

優秀な営業マンであればあたりまえの事ではありますが、ノルマに追われる営業マンは往々にして人間の顔を見れば誰彼構わず手持ちの商品を売りつけようとします。
ましてや日々、何かを売り込む経験を持たず、自分の力に自信(過信?)がある人であればなおのこと、このミスを犯しやすいと言えると思います。

エンピツが欲しい人に消しゴムを売り込んでも買ってもらえません。。


・嘘はつかない。
ネガティブな事を自分から言う必要はありませんが、聞かれたことには正直に自分の中から出てくる真摯な言葉で答えてください。
借り物の言葉やつまらない嘘は質問を繰り返されるうちに往々にして一貫性をなくし破綻します。

嘘を突き通す自信があれば、その限りではありませんが、仮にそれで内定したとしても、面接より遥かに長い時間となる勤務期間を通して、嘘を突き通すことになるのは覚悟してください。


・面接はお互いの自己紹介と相性の確認の場。
面接は相手が自社に見合う人間であるか見定める場でもありますが、こちらが相手の会社を見極める場でもあります。
単に相手の希望に沿った回答に終始して内定をもらうだけでは意味がありません。

単なる試験ではなく、面接を通して、自分との相性や職務内容など求人票にはない情報を得るチャンスと考えてください。
もちろんその結果、違和感を感じれば、こちらから逆お祈りする権利も与えられています。


・合否は自分の出来不出来より、相手の都合次第。
最終的な合否は相手の都合や気分次第となりますので、他者見合いの場合など、実につまらない理由で合否が決定する場合もあります。
面接官や会社が絶対的に正しい選択ができる道理はないので、特に最終面接で落とされた場合は気にする必要はないと思います。
逆に書類や1次で落とされまくる場合はなんらかの対策や補強が必要でしょう。。


最終的に一番大事となるのは『なぜ転職なのか?』ということ。
この動機=目的というものを最初に決め、ぶらさない事です。
いろいろな企業の仕事や待遇を見ているうちにここが曖昧になりがちです。
例えば家族の時間を大事にしたいので、余裕のある勤務内容としたいと考え転職に臨んだとします。
活動を通して自分の市場価値が思いのほか高いことを知らされ、高額の給与を提示される場合などがあるかもしれません。
その際にも安易に飛びつくのではなく、いちど原点に立ち返ってみる必要があると思います。

あくまで転職は自分の幸せに向かっての1ステップであるため、ここを見誤らないようにしてください。